KARIMACHI STREET FURNITURE

KARIMACHI STREET FURNITURE

ストリートファニチャー  

愛知県刈谷市
ストリートファニチャー

材料提供:有限会社トーモク
KARIMACHI LABO.主催:カリマチ会議
KARIMACHI LABO.共催:名城大学 佐藤研究室
動画制作:井野孔輔
刈谷駅北口のカリマチストリートに設置する社会実験としてのストリートファニチャーの計画。刈谷駅周辺には、スクラップアンドビルド形式で建てられた大きな建物が多く立ち並び、同じように整備された歩道も広すぎるため、これまで市民が有意義に利用しづらかった。このような広い歩道に限られた予算でストリートファニチャーを制作しなければならず、対象範囲の広さを考慮すると、従来のような恒久設置型のそれでは、満足のいく数量を制作できない。そのため、3カ月という短い設置期間を前提に、ストリートファニチャーの制作から解体のあり方を検討する必要があると考えた。通常のストリートファニチャーは、役目を終えるとリユースはできてもリサイクルやアップサイクルができる事例は多くない。私たちは、設置後もマテリアルの状態で再利用できるような材料の循環を目指した。

具体的には、日本の多くの材木屋に在庫として眠る端材や古材に着目する。こういった在庫木材を都市に眠る資源と捉え、新しい材料を購入するのではなく、レンタル→ストリートファニチャーで使用→返却するプロセスをふむことで、コストを 削減しながら、広い敷地に設置できる多くの材料を確保した。刈谷市にも他の地域と同様に在庫木材を抱える材木屋があり、協力会社である「有限会社トーモク」から資材のレンタルを行うことが可能であった。ただし、レンタルした在庫木材は、同じ状態で返却しなければいけないため、穴をあけるなどの加工ができない。そこで木材を移送、保管する際に使用するPPバンドに着目し、在庫木材の並べ方を変えながら、PPバンドで結束するという簡易な手法で、ストリートファニチャーを制作した。在庫木材の保管場所を倉庫からまちに移動し、家具のように少し並べ方をかえるだけで機能を満たし、まちに賑わいが生まれた。