Shop & Office NP

Shop & Office NP

ショップ オフィス PLUSMANIA アンテナショップ

愛知県
鉄骨造
建築面積:165.30㎡
延床面積:255.51㎡
構造設計:小松宏年構造設計事務所
施工  :平田建築
愛知県岡崎市におけるショップ+オフィス+倉庫の計画。計画地内で板金加工を営む会社が、アウトドア関連製品に特化したブランドPLUSMANIAを立ち上げ、その販路拡大を図るためのものである。製品は板金加工技術を活かしたもので、1枚の金属板から切断、曲げ、溶接等の工程を経てつくられるものである。

計画地は国道に面しており、昼夜問わずたくさんの車が往来している。また、計画地脇に信号があるため、停車してこちらを眺める人も多い。国道を挟んだ向かいは、大規模チェーン店が建ち並ぶ雑多な印象である。そのため計画地は、広告としての効果が高い反面、視線や景観、騒音等の問題を持ち合わせていた。

限られた土地・コストで最大限大きな容積を獲得するため、直方体のボリュームを考え、上記の敷地的特性から、庭、イベントのできる屋外スペース兼駐車場、ショップ、オフィス、倉庫を国道側から順に並べるように配置した。それぞれの境には植栽や築山、建具やカーテンがあり、バッファや領域を調整する役割を果たす。例えば、外部とショップの間の建具は下半分がガラス、上半分を鏡面としている。道路の車から内部の様子を伺い知ることができるが、内部からは植栽や、内部の風景の映り込みが目に入るようになっている。これらの設えがつくる層状の断面構成により、多様なイベントや使われ方の変化に対応できるよう計画している。

家具には岡崎市の山で採れた間伐材を使用している。約42cm角のロの字の箱に対してスタック用の金物を自社の技術で作成してもらい、自由に組み替えられる仕様である。商品展示以外にも、テーブル、椅子、本棚などとして高い汎用性をもつ。ロの字であることで、抜ける/抜けないの調整が可能であり、上述の建具等と並ぶひとつの設えとして位置付けている。

また、自社の板金の切断技術(タレパン)を用いた商品展示板では、主産物(商品)と副産物(残った板)の関係性により、製品誕生の物語を表現した。